今回は、仮想マシン上にCentOSをインストールする手順についてご紹介します。
ご紹介するCentOSのバージョンは7.9-2009で、x86_64のMinimalのISOを使用してインストールします。
Windowsのパソコンを所有しているけど、Linuxの環境でいろいろなプログラムが動く環境を構築してみたいという方のご参考になれば幸いです。
注意事項
本記事の情報は、2021年6月時点で公式サイトなどから調べた情報です。時期により、本記事の内容から変更となっている可能性もあります。最新の情報に関しては、公式サイトにてご確認いただくようにお願いいたします。
CentOSとは
CentOS(セント オーエス)とは、Linux系OSの1つであるRed Hat Enterprise Linuxと機能的に互換性を持つことを目指して作られたフリーのLinuxディストリビューションです。
CentOSプロジェクトは、有志のボランティアによって立ち上げられ、2014年1月以降はRed Hatも支援を実施しています。
この記事では、メンテナンス更新期限が2024年6月30日と最も長い、バージョン7.9-2009(2020年11月12日リリース)を用いたインストール手順をご紹介します。
仮想マシンとは
VM(仮想マシン:virtual machine)とは、既存のオペレーティングシステム(ホストOS)上にアプリケーションの1つとして別のオペレーティングシステム(ゲストOS)が実行できる環境のことです。
この記事では、Oracle VM VirtualBoxというソフトウェアパッケージを用い、ホストOSにWindows、ゲストOSにCentOSという環境を構築します。
Oracle VM VirtualBox
Oracle VM VirtualBoxのインストール手順、起動手順については、下記の記事を参照ください。
インストール手順
CentOSのインストール手順としては、Oracle VM VirtualBox上にCentOSのISOファイルをマウントし、インストールの設定を進めていくという流れです。設定に関しては、デフォルトの設定から変更はせずとも使用することが可能でした。
画像付きで順番に記載していきます。
CentOS(7.9-2009 x86_64 Minimal)のダウンロード
ホームページ
CentOSのホームページ上で、CentOSのダウンロードのページを表示します。
CentOS 7.9-2009をダウンロードするため、下記の「CentOS Linux」の「7(2009)」のタブをクリックし、「x86_64」のリンクをクリックします。
下記の「In order to conserve the limited avalable, …」の画面が表示されたら、日本国内のミラーサイトを表示するため、下記の「http://ftp.riken.jp …」のリンクをクリックします。
(URLに”.jp”が含まれているサイトが日本のサイトだと思われるため、上記がつながりにくい場合は別のサイトをお試しください。)
Index of /Linux/centos/7.9.2009/isos/x86_64 (riken.jp)
下記の「Index of /pub/Linux/centos/7.9.2009/isos/x86_64」の画面が表示されたら、MinimalのISOファイルをダウンロードするため、「CentOS-7-x86_64-Minimal-2009.iso」のリンクをクリックします。
クリックすると、バージョン7.9-2009のISOファイルのダウンロードが始まります。
保存フォルダ
ダウンロードが完了すると、ダウンロードフォルダに下記のISOファイル(約973MB)が保存されています。
- CentOS-7-x86_64-Minimal-2009.iso
もし、ダウンロードフォルダの場所が分からない方は、下記を参考にお探しください(XXXはパソコンのログイン名)。
- C:\Users\XXX\Downloads\CentOS-7-x86_64-Minimal-2009.iso
CentOS(7.9-2009 x86_64 Minimal)のインストール
ここからは、Oracle VM VirtualBoxが起動する環境を前提として手順を記載します。
下記に記載の手順でアプリケーションを起動します。
インストール実行
Oracle VM VirtualBoxマネージャーの画面が表示されたら、【新規】ボタンをクリックします。
下記の「仮想マシンの作成」の「名前とオペレーティングシステム」の画面が表示されたら、“名前”の欄に名前を入力します。ここで入力した名前は、今後、Oracle VM VirtualBoxからCentOSを指定する際に使用しますので、分かりやすい名前(この記事では”CentOS_7.9-2009_Minimal“)を入力してください。
内容を確認して【次へ】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「メモリーサイズ」の画面が表示されたら、内容を確認して【次へ】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「ハードディスク」の画面が表示されたら、内容を確認して【次へ】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「ハードディスクのファイルタイプ」の画面が表示されたら、内容を確認して【次へ】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「物理ハードディスクにあるストレージ」の画面が表示されたら、内容を確認して【次へ】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「ファイルの場所とサイズ」の画面が表示されたら、内容を確認して【作成】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
上記の「ファイルの場所とサイズ」の画面が閉じて、下記の「Oracle VM VirtualBoxマネージャー」の画面に戻ります。
この時、先ほど「名前とオペレーティングシステム」の画面で入力した名前(この記事では”CentOS_7.9-2009_Minimal“)が画面左側に表示されていること、および各画面で設定した内容が画面右側に表示されていることを確認します。
【起動】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「起動ハードディスクを選択」の画面が表示されたら、内容を確認して”VBox GuestAdditions.iso …”の右側にあるフォルダアイコンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「光学ディスク選択」の画面が表示されたら、【追加】ボタンをクリックします。
ファイル選択のダイアログが表示されたら、先ほどダウンロードしたCentOSのISOファイルを選択して次の画面へ進みます。
下記の「光学ディスク選択」の画面に選択したCentOSのISOファイルが表示されたら、【選択】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「起動ハードディスクを選択」の画面が表示されたら、先ほど”VBox GuestAdditions.iso …”と記載されていた箇所に”CentOS-7-x86_64-Minimal-2009.iso …”と表示されたら、【起動】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「Starting virtual machine …」、「ORACLE VM VirtualBox …」、「Press the <ENTER> key to …」の画面が順番に表示されるので、画面が切り替わるまでしばらく待ちます。
下記の「CentOS 7」の画面が表示されたら、内容を確認して上下のカーソルキーを押して“Install CentOS 7″を選択し、<ENTER>キーを押して次の画面へ進みます。
インストール設定
下記の起動中の画面が表示され、”Welcome to CentOS Linux 7 (Core)!”の文字列、”Starting installer, one moment …”の文字列が順番に表示されるので、画面が切り替わるまでしばらく待ちます。
下記の「CentOS」の「WELCOME TO CENTOS 7.」の画面が表示されたら、内容を確認して“日本語 Japanese“をクリックします。
下記の「CENTOS 7 へようこそ。」の画面が表示されたら、内容を確認して【続行】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「インストールの概要」の画面が表示されたら、全てのアイコン名の下の”ソフトウェア…をチェック中…”の文字列が消えるまでしばらく待ちます。
アイコン名の下に”自動パーティシ…択されました”と表示された【インストール先】のアイコンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「インストール先」の画面が表示されたら、内容を確認して【完了】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「インストールの概要」の画面が表示されたら、内容を確認して【インストールの開始】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
インストール開始
下記の「設定」の画面が表示されたら、内容を確認して【ROOTパスワード】のアイコンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「rootパスワード」の画面が表示されたら、“rootパスワード”の欄にパスワードを入力し、同じパスワードを“確認”の欄にも入力します。
下記の”パスワードが短すぎます。確認する場合は、完了を2回押す必要があります”の文字列が表示されたら、【完了】ボタンをクリックします。
下記の”パスワードが短すぎます。完了を再度押して使用します。”の文字列が表示されたら、再度【完了】ボタンをクリックします。
(つまり、パスワードが短すぎたり簡単すぎたりした場合でも、2回完了をクリックすることで低いセキュリティレベルのパスワードが設定できてしまいます。)
下記の「設定」の画面が表示されたら、内容を確認して【ユーザーの作成】のアイコンをクリックして次の画面へ進みます。
下記の「ユーザの作成」の画面が表示されたら、“フルネーム”、“ユーザー名”、“パスワード”の欄に入力し、同じパスワードを“パスワードの確認”の欄に入力します。
下記の”パスワードが短すぎます。確認する場合は、完了を2回押す必要があります”の文字列が表示されたら、【完了】ボタンをクリックします。
下記の”パスワードが短すぎます。完了を再度押して使用します。”の文字列が表示されたら、再度【完了】ボタンをクリックします。
(ここでも同様に、2回完了をクリックすることで低いセキュリティレベルのパスワードが設定できてしまいます。)
下記の「設定」の画面が表示されるので、画面が切り替わるまでしばらく待ちます。
筆者の環境では、画面が切り替わるまで1時間半ほどかかりました。
インストール終了~再起動
下記の”完了しました!”の文字列が表示されたら、内容を確認して【再起動】ボタンをクリックして次の画面へ進みます。
以上でインストールは完了です。
しばらくするとCentOSの再起動が始まり、下記の終了中の画面が表示され、「ORACLE VM VirtualBox …」画面が表示されるので、画面が切り替わるまでしばらく待ちます。
下記の「Use the ↑ and ↓ keys to …」の画面が表示されるので、内容を確認して上下のカーソルキーを押して”CentOS Linux (3.10.0-1160. …”を選択し、<ENTER>キーを押して次の画面へ進みます。
下記の起動中の画面が表示されるので、画面が切り替わるまでしばらく待ちます。
しばらくすると下記の「CentOS Linux 7 (Core)」の画面が表示されます。
以上で再起動は完了です。
起動手順
CentOSの起動手順については、Oracle VM VirtualBoxのアプリケーションを起動したところから始めます。
CentOS(7.9-2009 x86_64 Minimal)の起動
OS起動
画面左側で起動するCentOSの名前(この記事では”CentOS_7.9-2009_Minimal“)を選択し、【起動】ボタンをクリックします。
下記の「ORACLE VM VirtualBox …」画面が表示されるので、画面が切り替わるまでしばらく待ちます。
下記の「Use the ↑ and ↓ keys to …」の画面が表示されるので、内容を確認して上下のカーソルキーを押して”CentOS Linux (3.10.0-1160. …“を選択し、<ENTER>キーを押して次の画面へ進みます。
下記の起動中の画面が表示されるので、画面が切り替わるまでしばらく待ちます。
しばらくすると下記の「CentOS Linux 7 (Core)」の画面が表示されます。
以上でOSの起動は完了です。
OS終了
上記の「CentOS Linux 7 (Core)」の画面で、インストール時に設定したユーザー名とパスワードでログインします。
続けて、以下の通り入力し、<ENTER>キーを押します。
sudo shutdown -h now
“We trust you have …”という文字列が表示されたら、再度インストール時に設定したパスワードを入力します。
以上でOSは終了します。
まとめ
今回は、CentOSのMinimalのインストール手順についてご紹介しました。
インストールに時間はかかるものの、初期設定から変更することなくユーザが使いやすい設定になっているので、インストールに悩むことは少ないと思います。
次は、Oracle VM VirtualBoxを使ってCentOSのMinimal以外の構成やUbuntuのインストール手順について順番にご紹介したいと思います。
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